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WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ(12回戦)が14日に横浜で行われ、同級WBCの世界元王者で挑戦者の川嶋勝重が、王者のアレクサンデル・ムニョス(ベネズエラ)に0―3の判定で敗れました。 戦前は王者のムニョスが調整の失敗により、挑戦者有利との見解が一転して大差の判定負け。 序盤は下馬評どおり川嶋優位で試合を運んではいましたが、後半のスタミナ切れ。結果、二度目のチャンピオンベルトには手が届きませんでした。 2003年に一度挑戦し、破れた徳山昌守と04年二度目の挑戦にて悲願の世界王者に、そして2度ぼ防衛後三度目の徳山との対戦に破れ、ベルトを返上。 以後、再び世界のベルトを手にする為に挑戦を繰り返しますが、06年のクリスチャン・ミハレスとの対戦に破れ、ついに引退を決意しました。 しかし、試合から約一ヵ月後、僅差の判定で敗れた最後に対し「悔しさがこみ上げてきた」との思いから現役を続行。引退を撤回しました。 そして07年1月にミハレスとのリベンジマッチ。しかし10回、ミハレスの攻勢を受けTKO負け。同じ選手と二度連続した敗戦。再び引退を決意します。 ところが、不屈の精神を持つ川嶋。まだまだ心には火が残っていました。 そして何と同年6月、二度目の引退撤回。再起戦を6月・9月に行い二連勝。ついに再び王者への挑戦権を手にしました。 不屈の精神。川嶋という選手は、決して順風満帆な選手ではありませんでした。
21歳の時、友人の試合を見て感動し、脱サラをして飛び込んだボクシングの世界。 しかし、努力はするが思うように飲み込めない日々の練習。普通であれば、簡単に習得できる技術も、人の倍はかかる。大橋会長も「決してセンスは良くない。ただ真面目だし、集中力があった」と当時の川嶋を振り返ります。 プロテストを受験するまで「基本が出来てない」という理由で1年半を要しました。しかし彼はあきらめませんでした。「人の倍かかるのであれば、倍練習すれば良い」。不器用ながらにも誰よりも集中し、練習したそうです。
試合後、「今日、負けたら引退という事は決めていた。最後に巧者のムニョスに手が出なかった。不器用さ、センスのなさが出たかな」とコメントを残しました。 「不器用さ」が、ゆえにファンも多く、私もその一人。脇が開いた大振りの左右のフック。決して入門したばかりの練習生にはあまり勧めたくないスタイル。しかし、闘志をむき出しにし、前に出る姿勢は多くのファンの心を魅了しました。 「前に出る姿勢」。 それは「勇気」と「恐怖」との表裏一体の精神。簡単な様で、実は一番難しい事です。 又一人、かけがえの無い選手が引退して行きます。 正に「武士道」と言える精神力を持ったファイターでした。 12年半のボクシング人生、本当にお疲れ様でした。第二の人生、苦労を重ねたからこそ、きっと良き指導者になるでしょう。
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